日の章

祖父郎に 父太郎いて 孫晴も[心] 自分の息子に祖父郎,孫に父太郎,そして曾孫に孫と名付けた繁正(95歳).自分が生きている内に親子三代,祖父郎,父太郎,孫晴が揃ったことになる.息子が生まれた時の夢がついに叶った繁正.本当に息子に祖父郎と名付けてよ…

日の章

髪の毛に 混じって生えた エノキダケ[心] ふと鏡を見たら,一本の白髪を発見.しかし,抜いてみたら白髪ではなく,エノキダケ.自分の体に何が起こっているのか.

文化の章

エキス飲み 寿命が延びたと 祖父が言い[心] カップラーメンを食べた祖父.原材料の中に「肉エキス」の文字を見つけ,「おお,エキス入りか,こりゃ寿命が延びたわい.ありがたいのお」と呟く. エキスが何かは分からないが,寿命が延びる祖父に万歳だ.

日の章

光合成 始めた我が子の 頼もしさ[心] ニートで引き篭もりだった我が子の皮膚の色が緑色になってきた.どうやら光合成を始めたらしい. 「オヤジ,これからは苦労をかけないよ」 水を飲み,ベランダで光に当たり栄養を自分で作る我が子.人類から離れていく我…

土の章

新技術 トリプルロールの トイレット[心] 紙が一枚のシングルロール,紙が二枚重なったダブルロール.二種類しか存在しなかったトイレットペーパーに三種類目が登場.髭剃りの三枚刃の技術を応用したトリプルロールだ. 三枚紙が尻の汚れを根こそぎキャッチ…

日の章

弁当に 丸ごと一匹 タラバガニ[心] 家がお金持ちと噂の同級生の川北君.彼の今日の弁当はタラバガニ一匹だ.夢中でカニを頬張る川北君のカニ臭さ.

土の章

ロボットが 心を込めて 手焼き風[心] スーパーに並ぶ「手焼き風煎餅」.「手焼き風」と名付けられた裏でロボットが心を込めて一枚一枚焼く.煎餅に詰まったロボットの心.

日の章

カナブンの 夢が膨らむ 夏の夜[心] 「自分には一体どんなツノが生えてくるんだろう.ハサミが生えてクワガタになるのか,それともカブトムシになるのか」. 幼虫→カナブン→カブトムシ,幼虫→カナブン→クワガタと成長をすると信じて,自分に将来生えてくるツ…

土の章

デザートに ゼリーを握った ゼリー寿司[心] 寿司屋も変わらなければと時代の変化へ対応しようと老舗の寿司屋で開発されたデザート寿司.若い人向けにゼリーをネタに握る. 酢飯の酸っぱさとゼリーの甘さのコントラストに職人の仕事が冴える.

体の章

新品種 やわらかカブトの やわらかさ[心] 硬いことで有名な人気の昆虫,カブトムシ.そんなカブトムシに軟らかい種類が発見された.しなやかな足運び,柔軟性に富む飛翔.軟らかさが自慢のやわらかカブトだ.

日の章

サルを呼ぶ 「sale」の中の 「salu」の文字[心] 百貨店で開催されているセール.ワゴンにはいつもの値段よりもお得な商品が積まれ,それを買い求める人たちが群がっている.しかし,そんなワゴンの中の一つにはサルが群がる.よく札を見てみると「sale」では…

土の章

スーパーで 「おばあちゃんの……」が 付く野菜[心] とあるスーパーマーケットの野菜売り場.「おばあちゃんの新鮮きゅうり」や「おばあちゃんの有機ナス」など「おばあちゃん」ブランドが人気を呼んでいる. しかし,おばあちゃんが作っているわけでもないし…

日の章

懐かしや ジャングルジムに 見る故郷[心] アマゾン流域の村が故郷のブラジル人ペルさん.東京に来て6年が過ぎた.冷たい都会,東京に嫌気が差す.そんなペルさんの行き着いた先が公園. 「オオ,コンナトコロニ ジャングルガアルヨ」 ペルさんが公園のジャン…

土の章

懐かしや ジャングルジムに 見る故郷[心] アマゾン流域の村が故郷のブラジル人ペルさん.東京に来て6年が過ぎた.冷たい都会,東京に嫌気が差す.そんなペルさんの行き着いた先が公園. 「オオ,コンナトコロニ ジャングルガアルヨ」 ペルさんが公園のジャン…

日の章

店先に 「肉もあります」 角八百屋[心] 最近店の売り上げが思わしくない角の八百屋.そこで「肉もあります」と店先に貼り紙を出してみた.みるみる上がる売り上げ.肉の人気に便乗する八百屋.

秋の章

将来は イタリア人に 中二夢[心] 「イタリア人ってエロくて凄いらしいぜ」 学校でイタリア人の噂を聞いて以来,将来はイタリア人になりたいと心に決めるタモツ君は中学二年生だ.

老の章

切り傷に クワガタ集まる 山田かな[心] 同じクラスの山田君の切り傷から甘い香りが漂ってくる.傷口にクワガタが集まって来る.樹液的な汁が流れ出す. 山田君に植物疑惑が持ち上がる.

日の章

鎌足は ムッツリスケベと デマ流す[心] 「いやー,実はさあ,鎌足ってさあ,ムッツリスケベなんだよ」 大化の改新で共に戦った中大兄皇子が流すデマ.二人の間に何があったのか,真相は歴史の闇の中だ.

土の章

秋迎え 熱麦作り 最盛期[心] 夏になると食べる機会が増える「冷麦」.一方,冬になると食べる機会が増える物といえば,「熱麦」だ.冬を控えた今の時期,熱麦作りの最盛期を迎える.

日の章

語尾に「ワン」 2学期始まり 変わり野田[心] 2学期が始まり,髪を染めた男子,大人っぽくなった女子などイメージが変わったクラスメート達が集まる教室.語尾に「ワン」が付くようになった野田君もそんな一人だ. 「久しぶりだワン」,「みんな元気にしてた…

土の章

親子丼 リアル親子の めぐり合い[心] 親子丼といえど,使われる鶏肉と卵に実際の親子の関係はないといってもよい.卵は鶏肉が生前に産んだ卵であることはないだろう. しかし,そんな親子丼の世界に小さな奇跡が起こった.今,食卓でタモツ君がかきこんでい…

日の章

七三の 分け目に生えた モヤシかな[心] 七三分けの分け目に生えてきたモヤシ.種は風に運ばれてきたのか,それとも誰かの悪戯が.どちらにせよ,罪のないモヤシは元気に育ってほしいものである.

土の章

怒るとき 尻を振る癖 親父癖[心] 他人に厳しく,自分にも厳しい.そんな厳格な親父は,怒るときに尻を振る癖がある. 「いいか,保.お前のやった事は一歩間違えると犯罪なんだぞ」 と息子を叱りながら前後左右に激しく動く尻.厳しさの中のコミカルさ.

日の章

眼鏡かけ 生まれたきた子の 銀フレム[心] 眼鏡をかけて生まれてきた赤子.銀色のフレームが分娩室のライトを反射してキラリと光る.

土の章

腹筋を 毎晩鍛える 赤子姪[心] 生まれて3ヶ月になる姉の子供.両親に気づかれないよう,毎晩隠れて腹筋をしているらしい.既に腹筋が割れている姪っ子の逞しさ.

日の章

初代から 継ぎ足し出した 茶碗飯[心] 40年続く定食屋.先代から客に出したご飯が残されていたらそこにご飯を継ぎ足して別な客に出し続けている. 「こうするとご飯にコクが出るんだよ」 受け継いだ秘伝の飯で通を唸らせる.

土の章

モミアゲを 朝昼夜に 揉む岡田[心] 同じクラスの岡田君は日課として朝,昼,夜,欠かさずモミアゲを揉んでいるらしい.意味があるかどうか分からないが,「継続は力なり」と言う岡田君の声には自信がみなぎっている.

日の章

横綱の なめらか腰の なめらかさ[心] 新横綱の腰ノ海.なめらかな腰,なめらか腰を持つ力士だ.相撲界では,ねばり腰と対を成すなめらか腰.そのなめらかさに驚くばかり.

土の章

リストラの 再就職先 猫返し[心] リストラされた父の再就職先が決まった.街で歩いている猫をひっくり返す仕事だ.どういうことなのだろう.

日の章

唐突に 森へ帰ると ニート兄[心] 5年部屋から出てこなかった兄.ある朝,唐突に朝食を食べる家族の前に現れ「森へ帰るよ」と一言.この5年の間に何があったのか不明だが,何かスピリチュアルなことがあったようだ.