土の章

ラグジュアリ 爺が放つ 極め台詞[心] 隣の爺さんは温泉に入ると決まって「あー,極楽,極楽」という.家の爺さんは「あー,ラグジュアリ,ラグジュアリ」という.

日の章

マーガリン 名前に潜む 可愛さよ[心] マーガリンって意外と可愛い名前だよな.炎天下にて思うどうでもいいこと.久蔵の80回目の夏は無駄に過ぎて行く.

土の章

お台場で 部長と二人 冒険王[心] 「丸和君,一人で行くの恥ずかしいから一緒に来てくれよ」 と部長に誘われてお台場に行った丸和さん.周りは家族連れの中,自分は部長と二人で冒険王だ. 「いやー,やっぱり来て良かったよ」 との部長の言葉に複雑な思いの…

日の章

恨めしき 我が身に溜めた この栄養[心] 栄養を溜め込んでしまったばかりに,食料にされてしまうウナギ.「栄養を蓄えなければ,ただのヌルヌルした気持ち悪い魚で終わっていたはずなのに」うなぎが抱く恨めしさ..

土の章

還暦に 自分探しの 旅へ出る[心] 還暦を迎えた父が自分探しの旅へと出て行った.60年間見つからなかった本当の自分.寿命が尽きるのが先か,自分を見るけるのが先か,時間との勝負だ.

海の章

運動部 流れる汗に 干しワカメ[心] 夏の到来.体育館,グラウンドで部活に励む生徒や学生.流れ出る大量の汗.その汗でもどす干しワカメ.夏の運動部の風物詩だ.

日の章

15年 思春期金魚に 生えたる毛[心] 金魚すくいですくってきた金魚は今年で15年目.鱗の隙間,エラの隙間から毛が生えてきた.どうやら思春期を迎えて,毛が生えてきたようだ.

土の章

機内食 ジェットで焼いた ジェット鶏[心] 飛行機で出される機内食といえば,ジェットエンジンの熱で焼いたジェット鶏だ.ジェットエンジンの荒々しい熱で表面はパリパリ,中身はフワフワでジューシーに焼き上げた飛行機名物.飛行機に乗ったら是非食べておき…

日の章

懐かしき 母の遺品の 付け乳首[心] 先日,母の遺品を整理していたら仏壇の引き出しから出てきた付け乳首.そういえば,母は,授業参観,三者面談,運動会,学校の行事に出てくるときには必ず付け乳首を付けていた.母の愛が詰まった付け乳首.見ているだけで…

土の章

突風で 空へ飛び立つ 親父かな[心] 散歩中の親父が,突風に煽られて空高く舞い上がった.「鳥っていいよなあ」が口癖の親父の夢が思わぬ形で現実となる.

日の章

会長が 梅雨の晴れ間に はしゃぐ昼[心] 裸一貫で会社を興し,世界に広く知られる会社にまで育て上げた会長.今では年老いた会長だが,梅雨の晴れ間に,会社の前の公園で長靴を履き,水溜りではしゃぎ,スキップしたり滑ってひっくり返ったりしている. 「自…

土の章

ワカメ載せ 髪が生えたと 笑う父[心] 毛髪面で寂しさが漂う父.ある朝,突然父がワカメを頭に載せ,「いやー,髪の毛がね,今朝起きたら突然生えてきたんだよ」と嬉しそうに笑っている.ばれないとでも思っているのか.

日の章

オフサイド 汁を振舞う ドイツ人[心] あまり広く知られていないドイツ名物オフサイド汁.ワールドカップを機会に大々的に売り出そうと,今年はドイツ各地でオフサイド汁が無料で観光客に振舞われているという.

土の章

名月を 愛でる額に つけちくび[心] 名月を愛でるに臨み額につけちくびを着けてみた.夜空に輝く月,額で輝くつけちくび.期せずして月対つけちくびの対決となってしまった.

日の章

鶏の トサカ集める 叔父の趣味[心] 香川の叔父さんの趣味は,鶏のトサカ集め.叔母の話によると,机の引き出しには溢れんばかりのトサカが詰まっているらしい.

土の章

スナックの 名前を孫に 付けてみた[心] 孫に行きつけのスナックの名前を付けてみた.山本スナック美園.スナックがミドルネールみたいだ.

日の章

今日の夜 オフィスで開催 パレードが[心] 今日の夜は9時から会長主催のエレクトリカルパレードがオフィスで開催される.社内には全員参加の通達が出され,強制参加となっている.会長が派手な音楽と演出で会社の廊下を練り歩く.出たくもないイベントへの駆…

土の章

新入の 社員の名前 アナゴさん[心] 職場にやって来た新入社員の名前は「アナゴ」.あの有名なアニメに出てくるキャラクターと同じ名前だ.既に職場にいるフグ田さんとの関係も気になるところだ.

日の章

フィヨルドに 似てると祖父が 孫に言う[心] 観光旅行でノルウェーに行ってきたお祖父ちゃん.孫を見るなりフィヨルドにそっくりだと言う. 「フィヨルドにそっくりじゃよ.ノルウェーを思い出すわい」 何を言っているのか分からない.それともフィヨルドとい…

土の章

赤子から 青子にかわる ミステリー[心] 近所の家で赤子が生まれた.しかし,その赤子は夜な夜な青子になるという.

日の章

新課程 帝王学を 学ぶ子ら[心] 来年度からの小学校の教育課程に「帝王学」が加わることになった.誰が何を教えるのか,謎の多かった学問のベールが意外なかたちで明らかとなる.

土の章

孫を抱き 若エキス吸う 義父秘密[心] 「いやー,やっぱり孫はいいねえ」 孫を抱き,頬をすりつける義父.本心は,孫がかわいいからではなく,若さのエキスを吸い取るためだとは知られてならない秘密だ.

日の章

母の日に 家族で食べる 母納豆[心] よく分からないけど,金沢あたりの風習らしい.

土の章

お子様の ランチに入った わさび漬け[心] ファミリーレストランでお子様ランチを頼んだこうすけ君(5歳).運ばれてきたお子様ランチには,カラスミ,アンキモ,クチコ,塩辛,わさび漬けとおかず界の渋い実力派メンバー達.味の良さに納得しつつも,日本酒が…

日の章

待ち合わせ 遅れ課長に 泣く部長[心] 他社との大切な打ち合わせ.駅で待ち合わせたのに課長は遅れている.課長が来ない心細さに泣く部長だ.

土の章

プロテイン 飲んでる岡田 飲まぬ岡[心] 同じクラスの岡田君は欠かさずプロテインを飲んでいる.一方,岡君はプロテインを飲んでいない.岡田君と岡君,違いは「田」の文字だけではなさそうだ.

子の章

孫祝い 古漬けナスに 飾りつけ[心] 「お祝いだから」,「形だけでも」と子供の日を祝って祖母がナスの古漬けをケーキに見立てて仏壇のロウソクで飾りつけ.お祖母ちゃんの祝い心をくみつつも,素直に喜べない孫のトモノリ君(4歳)だ.

民の章

我が尻に 二つ目の穴 開きにけり[心] 風呂上りに,通常の穴の上にもう一つ穴が開いているのに気が付いた.何やら呼吸するように空気がすーすーと通っているようだ.何か住んでいるのか,それとも誰か住んでいるのか.

憲の章

スパすする フランス人の 抱く不安[心] 来日して5年目のフランス人のミッシェルさん.大好物はスパゲティだ. 今日もファミリーレストランで好物のカルボナーラをすするミッシェルさん.スパゲティーのうまさに満足しつつも,イタリア人と間違えられて「ボン…

日の章

はるうらら 一回入れ替え うるはらら[心] 「そういえば,『はるうらら』って,『うるはらら』だよな」 移り行く春に思うどうでもいいこと.久蔵の80回目の春は無駄に過ぎて行く.